彷徨の旅-2020/9-

9月22日火曜日

始まりました、「彷徨の旅」VOL2

流石に今年は無理かなぁと諦めモードに入っていましたが、どうにか少し落ち着いたタイミングで思い切って出発することに。

各地でアンテナを張って無理をせず迷惑をかけないようそろそろと進んで参りましょう!

今回は「道の駅ぎのざ」で前泊して沖縄本島北部の本部港で『フェリー波の上』に乗船。

台風12号の影響で元気にうねりまくる中いざ鹿児島へ。

予想通り乗船客は少なく、揺れる船内でせっせと編みかけだった帽子の仕上げをして過ごしました。

 

9月23日水曜日

大揺れの一晩をやり過ごし、見えてきました夜明けの開門岳。また新しい旅が始まるということの実感がまだ湧かなくて不思議な感じです。

上陸して最初の訪問地は「仙巌園」。

の前にまずはすぐ側のスタバで一服。

島津家所縁の歴史的建造物をリノベーションした店舗でホッとひと息。

仙巌園では入園前にコロナ対策のあれやこれや(検温や氏名住所の記入等)があり、これからの旅の新しいスタンダードをしっかり心に刻みます。

桜島を望む広々とした庭園も御殿も予想以上に素晴らしくついつい歩き回っているうちにあっという間にお昼。

午後は姶良市の「龍門司坂」へ。

苔好きの私のために訓さんが探しておいてくれた素敵すぎるスポット!苔生した石畳の道は数々の時代劇でも大活躍しているそう。

テンション上がりまくりの苔の道でした。

今夜の車中泊地「道の駅霧島」に向かう前に”丸尾滝”を眺めに。柱状節理の岩肌を勢い良く流れる小振りの滝です。

すぐ近くの「カジロが湯」という硫黄の香り抜群!?のお風呂で温まってから道の駅へ。

天気予報では明日は1日大雨。どうやら車中泊は我々だけのよう。雨音だけの静かな夜になりそうです。

 

9月24日木曜日

雨の一日。予定していた山登りはすっぱり諦め、昨日スルーした『嘉例川駅』を見に行くことに。

1903年営業開始の木造駅舎。無人駅ながらレトロな佇まいが人気で特急も止まるそうです。

猫の駅長さんは朝ご飯の後にホームをのんびり巡回だにゃん。

時間が止まったかのような駅をあとに、蒲生町の日本一の大楠を訪ねました。

見学に来ていた大勢の小学生に”でっかぁい!”と歓声をあげられても泰然自若。全体像はとてもカメラに収まりません。

次は『丸池湧水』へ。日量6万トンを誇る日本名水百選の湧水池。降りしきる雨の中でも地元の方々がひっきりなしに採水に来ていました。私たちも少しお裾分けしてもらいましたよ。

そこから少し山を上がった『霧島アートの森』へ。

館内だけでなく野外にも沢山の作品が展示されていて見応え十分です。

雨脚が強いのでさすがに屋外展示作品はサクサクっと。

雨の中でも草間彌生さんの作品はむしろ存在感を示していましたよ。

今日最後の訪問は『霧島神宮』

参拝の後振り返ると見事な御神木。右下に小さく見える訓さんに「よく来た」と言ってくれているような‥。

今夜は大崎町の「道の駅 くにの松原」で車中泊。320円で入れるご機嫌な温泉も併設されています。

 

9月25日金曜日

雨も上がり、この旅最初の”端っこ”『佐多岬』を目指しますが、その前に途中の鹿屋市にある「神徳稲荷神社」へ立ち寄り。

ガラスで出来た鳥居を目当てに訪れましたが、小さな境内全体が清々しい気配に満ちていてちょっと(かなりかな)徳をした気分。

そしてそして、遂にやって参りました『佐多岬』

昨日の雨が嘘のように澄んだ空気。青い空と海。これ以上何を望みましょう!

たっぷり岬の景色を楽しんで戻った駐車場には見事なガジュマルの大木。嬉しくなって記念撮影しちゃいました。

今夜の車中泊地は昨日と同じ道の駅。戻る前に『雄川の滝』を見に行きました。

1200m程の整備された遊歩道を歩いて行くと、なかなかの大迫力の滝が姿を現します。

晴天が数日続いた後の滝壺はそれは綺麗なブルーになるそうですが、昨日の大雨で増水した滝の迫力も素敵でした。

「道の駅くにの松原」のお風呂で心地良くかいた汗をすっきり流し、お待ちかねのビールで乾杯。旅の感覚が戻ってきたようです。

 

9月26日土曜日

2泊お世話になった「道の駅くにの松原」をあとに、本日朝イチの訪問は「志布志の大楠」

樹齢1300年ともなるとあちこち痛そうな箇所がありますが、やっぱり凛とした姿に心打たれます。

宮崎県日南市に入り”苔”の美しさで知られる『猪八重溪谷』へ。

歩き出してすぐに苔壁のお出迎え。

期待が高まりましたが、なんと大雨の影響で遊歩道の状態が厳しく、無理は禁物!ととっとと引き返すことに。いつかまた!

巨木シリーズは続く。「去川(さるかわ)の大銀杏」を訪ねました。

巨木さんはフレームに収めきれないのが残念。こちらは樹齢800年。優しい立ち姿。

午後は『綾の照葉大吊橋』へ。

とてもシンプルな吊橋。改修時に下を見通せることができるようになったそうで、景色の美しさが楽しめます。

こちらも大雨による倒木等の為😭橋を渡った先の遊歩道はわずかな距離で中断です。

あれやこれやで浮いた時間を利用して予定には無かった『西都原古墳群』へ行ってみることに。

広大な公園内の博物館は見事な展示内容なのに無料!何故何故?

内部を見られる古墳

を見学。こちらも今度ゆっくり歩き回ってみたいリストに入れました。

さて、今夜の車中泊地は「道の駅ゆ〜ぱるのじり」お風呂併設の道の駅は本当に助かります。

 

9月27日日曜日

目覚めて外をみると朝霧の真っ只中。天気予報を信じて「高千穂河原ビジターセンター」へ向かいます。

途中のコンビニで朝ごはんとお昼のお結びを調達してくねくね道を走りビジターセンターへ。前泊したと思しき車が一杯。

我々も山の準備を整えていざいざ初の九州の山登り。久しぶりの山なのでワクワクです。

石の階段を黙々歩いてしばらくすると新燃岳方面が綺麗に見えてパワーチャージ。

ふぅふぅ言いながらがんばると御鉢が見えてやった〜と大喜び。赤い岩肌にガッツを感じます。

御鉢はこんな感じ。間違っても転げ落ちたくはないですね。

実は御鉢に着いた時点で登頂!とぬか喜びした二人。その先に誇らしげに見えた山頂目指してまた一歩一歩。

やっとこ辿り着いた山頂。一瞬でガスに覆われてしまいましたが久々の山に大満足です。

帰路は同じルートをダブルストックで慎重に下ります。とにかく滑る滑る。尻餅1回で澄んだのは奇跡!

いつものように膝を大笑いさせつつ無事下山できました。

汗を流すべく向かった宮崎市内に向かう途中でみた「御池」から望む高千穂峰。

一度登った山には何とも言えない親しみが湧きます。感謝。

溜まった洗濯物をコインランドリーで洗い、夕食も調達して向かったのは今夜の車中泊地「道の駅高岡」

今夜は間違いなく爆睡です。

 

9月28日月曜日

爆睡から目覚め、外を見て口をあんぐり。大型トラックで駐車場が埋め尽くされている!いやいやびっくり。

幸い良い場所に止めていたのと登山疲れが功を奏して安眠できたのがラッキーでした。

さて、案じた通り、山の疲れはガッツリきているので今日は休息日。

午前中は宮崎市内のイオンモールでまったりお茶タイムと食品の買出し。

午後は一昨日急ぎ足でまわった『西都原古墳群』を再訪。

休園日ですが、野外施設なのでむしろ人も少なく落ち着いた雰囲気で好都合。

お昼ご飯の後は本を読んだり、編み物を広げてみたり。三線も久々に音を出してみました。

折角なので広い園内を散策。

360度何処を見渡しても古墳だらけというなかなかレアな環境ですが、地元の方々は普通にウォーキングを楽しんでいる様子。

全長90mの90号墳。木花開耶姫の父の墳墓と伝えられている未調査の前方後円墳。こんな感じの立派な古墳がここにもあそこにも。

彼岸花もそろそろ盛りを過ぎる感じですが、たくさんの蝶も舞い飛んでいてのんびり良い時間を過ごしました。

今夜の車中泊地は「道の駅つの」レストルームがとても綺麗でありがたいことです。

 

9月29日火曜日

今朝も5:30起床で外に出たら、大型トラックに囲まれて寝ていた事実に衝撃受けまくり。国道10号沿いの道の駅恐るべし!

ササっと身支度を済ませたら『高千穂峡』へ。ボートの乗船を目指して2時間弱ひた走ります。

キャンピングカーで走るにはかなり厳しい急坂を下って着いたぁ、と喜んだら何と大雨による増水のためボートは運休!

来た道をうんこらしょと戻り、高千穂峡の遊歩道の始点にある駐車場へ。

冷んやりする空気の中、趣のある石橋を眺めながらガンガン階段を下って遊歩道を真名井の滝方面へ進みます。

途中、屏風岩や力石、素敵な苔などを眺めながらご機嫌で歩いていると

見えてきました『真名井の滝』

うっかり見事な柱状節理の壁の方に気を取られてしまいそうになりましたが、期待に違わぬ美しさでした。

ボートの運休は残念ではありましたが、現場を見た後だと観光地値段にも程があるぞというのが正直なところ。

夜は高千穂神宮の御神楽をと予定していましたが、あまりに早く高千穂峡散策が終わったので、

次回の楽しみに回すことにして先へ進むことに。

廃線になった旧高千穂鉄道を走る『あまてらす鉄道 グランドスーパーカート』に乗り込みます。可愛らしくてちょっと気恥ずかしい。

トンネル内では天井にプチイルミネーションを、かつて東洋一と言われた高さを誇る鉄橋上ではシャボン玉を流しながらのアナウンスが鉄道愛に満ち満ちていて、再建にむけて頑張れ!と心からエール。

帰路では線路脇に面した家の窓から一生懸命に手を振るラブリーなおばあちゃまの姿もあって、幸せ気分のプチトリップでした。

下車後は『天岩戸神社』へ。ガイド時間のタイミングが合わず、天の岩戸自体は拝めませんでしたが、「天の安河原」へお参り。

午後は阿蘇の『草千里』へ。一昨年もちょこっと散策しましたが、明日は正面に見える「烏帽子岳」と「杵島岳」のトレッキングルートを周遊することにしました。

一旦麓へ降りてお風呂で汗を流し、今夜の車中泊地は「道の駅阿蘇」。地元のキャンパーに人気のようです。

 

9月30日水曜日

「道の駅阿蘇」での朝の目覚めはスッキリ! ただ残念ながら阿蘇方面は生憎のお天気模様。

阿蘇トレッキングはまた次回。作戦変更です。

で、まず向かったのが『白水溜池堰堤水利施設』なる場所。

ただのダムではありません。日本一の美堰堤!国の重文にも指定されている程なんです。

武者返しの技法で地盤を保護しているそうですが、”白水”の名に相応しい流れっぷりでしばし呆然。

行ってみて良かった〜!です。

更にこんな山中にあってグッドデザイン賞を得ている、駐車場の綺麗なトイレも超好印象でした。

次の訪問地は『音無井路円形分水』

農業用の水争いを防ぎ公平に水を分配するために作られた施設。先人の知恵ですねぇ。

サイフォンの原理を利用していると知ってはいましたが、実物を見ると感慨深いものが。

折角なので近くにある『白水の滝』まで足を伸ばしてみると、

遊歩道が予想外に素晴らしい景色の連続でドキドキ。

辿り着きました『白水の滝』

何ひとつ期待していなかっただけに予想外の迫力と美しさに大満足。素晴らしいの一言でした。

興奮冷めやらぬまま次に向かったのは大分県の竹田市武家屋敷通り。

去年尋ねた『岡城跡』が印象的な竹田市ですが、市内は初めてです。

最初に立ち寄った「竹田創世館」の方がとても親切に案内してくださったので、お薦めルートを素直に散策しました。

壁の反り具合が特徴的な武家屋敷跡や隠れキリシタンの礼拝堂跡。

竹田市内を見下ろす「広瀬神社」にもお参り。

歩き回ってお腹ペコペコ。偶然入ったお蕎麦屋さんは思わず”おお!”と顔を見合わせる程の美味しさ。

竹田市の印象は瀑上がり!

満面の笑顔で

「愛染堂」や滝廉太郎の旧居跡を巡りました。

次なる目的地『普光寺の磨崖仏』へ向かう道中でカーブを曲がったら突如現れた手掘り?の古いトンネル。

素敵すぎて、車を停めて写真を撮りに戻っちゃいました(笑)

年月を経てすっかり優しいお顔になられた不動明王。高さ11.3mで日本最大だそう。

私たちも優しい気持ちで側に寄らせてもらいました。

佐伯市の「道の駅やよい」併設の温泉で気持ちよく汗を流し、宿泊はもう少し海よりの「道の駅かまえ」

9月最後の一日。水の恵みを堪能した良い一日となりました。

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